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映画『花宵道中』のあらすじ・ネタバレ・感想

遊女たちのせつない生き様が描かれる『花宵道中』。

今回は、映画『花宵道中』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想・視聴方法をご紹介します。

『花宵道中』の作品概要

上映日2014年11月8日
上映時間102分
制作国日本
監督豊島圭介
原作宮木あや子『花宵道中』
脚本鴨義信
音楽かみむら周平
主題歌黒色すみれ「ラピスラズリ」
出演安達祐実/渕上泰史/小篠恵奈/友近/高岡早紀/津田寛治

『花宵道中』は、「女による女のためのR-18文学賞」で大賞と読者賞をダブル受賞し、コミックにもなった宮木あや子の同名小説の実写映画。人気遊女・朝霧が、運命を変える青年と出会う物語。遊女として強く生き、一途な恋をする遊女を安達祐実が演じる。

『花宵道中』のあらすじ

朝霧は、吉原で生まれ育った遊女だった。ある日、妹分の八津と縁日に行った朝霧は、半次郎という男と出会う。朝霧は、半次郎のやさしさに触れて半次郎に思いを寄せる。

しかし、その後他の遊女と町を歩く半次郎を見た朝霧は失望した。そんなとき、遊女屋には客として半次郎がやってくる。

登場人物紹介

朝霧(安達祐実)

朝霧(あさぎり)。母に虐待された過去を持つ。山田屋の人気遊女。

半次郎(淵上泰史)

縁日で朝霧と出会った男。行方不明の姉を捜している。

霧里(高岡早紀)

霧里(きりさと)。朝霧の姐。吉田屋に身請けされる。

吉田屋(津田寛治)

朝霧の客。半次郎と朝霧の関係の邪魔をする。

『花宵道中』のネタバレ

この先、『花宵道中』のストーリーを結末まで解説しています。ネタバレを含んでいるためご注意ください

朝霧と半次郎

山田屋の遊女・朝霧は、妹分の八津と祭りに出かけていた。しかし、朝霧と八津ははぐれてしまい、加えて朝霧は転んでしまう。そんな朝霧を助けたのは、染物屋の半次郎という男だった。朝霧は、半次郎に恋心を抱くようになる。

山田屋に戻った朝霧は、かんざしをなくしたことに気づく。そのかんざしは、朝霧が世話になっていた霧里からもらったもので、朝霧にとって大切なものだった。

翌朝、かんざしを探しに境内に行くと、朝霧は半次郎と再会する。かんざしは見つかったが、壊れていた。半次郎は「元通りにしてやろう」と言って、2人は3日後に境内で会うことを約束した。

 

朝霧の妹分である八津には、大島屋という客がついており、大島屋は八津を身請け(店に金を払い、遊女を辞めさせること)するつもりだと言っていた。

しかし、八津は大島屋が他の遊女と歩いているところを目撃してしまう。泣き崩れる八津を朝霧がなぐさめ、その夜2人は同じ布団で眠りについた。

翌朝、朝霧は寝坊してしまった。その日は半次郎との約束の日で、朝霧は半次郎に会うことができなかった。その後、朝霧は半次郎が女性と歩いているところを見かけ、ショックを受けるのだった。

再会

朝霧の年季明け(就労の契約が切れる事)が近づいてきたころ、織物問屋の吉田屋が朝霧を指名する。吉田屋は、朝霧の面倒を見てくれた霧里を身請けした男だった。朝霧が座敷に行くと、そこには吉田屋と半次郎がいた。吉田屋は、2人が意識し合っていることを見抜く。

翌日、朝霧と半次郎は境内で再会した。半次郎は直したかんざしを朝霧に私、2人は抱き合う。そして、2人はお互いの身の上について打ち明けた。朝霧は、自身の母親が遊女であり、客との子供であると言った。また、母が男に裏切られるたび、母から暴力を受けていたと話す。

半次郎は、生き別れた姉・霧里の行方を捜しているのだという。そして、朝霧の年季が明けて、霧里の行方が分かったときに一緒になろうと約束する。

夜のおいらん道中

朝霧と半次郎の関係の邪魔をしたい吉田屋は、半次郎に自身の遠縁の娘・しのとの縁談を持ちかける。同時に、朝霧には身請けの話をした。

そして吉田屋は、「霧里を追い出した後、霧里は結核で死んだ」と朝霧と半次郎に告げた。吉田屋は、霧里を取引相手に売り、商売道具として使っていたのだった。怒った半次郎は吉田屋を刺し殺してしまい、朝霧は半次郎を逃がす。半次郎は、人殺しとして追われる身となってしまった。

悲しみに暮れる朝霧が境内に行くと、少年が手紙を持ってくる。そこには、「今宵、子(ね)の刻、この場所にて待つ」と書かれていた。

 

時間どおりに境内に行くと、そこには半次郎が現れた。半次郎は、朝霧のおいらん道中(その店のトップの遊女が町を練り歩くこと)の着物を持って来たのだった。朝霧は、夜の境内で1人でおいらん道中をした。

その後、半次郎は奉行に見つかって処刑されてしまった。半次郎の遺髪を受け取った朝霧は、皮に身を投げて自殺する。八津は、朝霧の遺体からかんざしそっと抜き取り、自分の髪に刺した。

『花宵道中』の感想

朝霧を演じた安達祐実さんに釘付けでした。ベビーフェイスなのに、表情や声色、仕草、目線にめまいがするような艶やかさを感じます。遊女を演じるのにふさわしい女優さんだと思いました。

美しいだけでなく、朝霧が暗い過去を背負って生きていたり、憔悴(しょうすい)している様子がうまく表現されていると思いました。

一方で妹分の八津のなじみ客・大島屋に向かって「一発五文の鉄砲女郎でも買ってきな」銭を投げつけるシーンは本当にかっこよかったです。ふり幅が大きく、どんな演技もこなす方なんだと改めて思いました。

 

当時の男性は多情で、遊女も多くの男性と関係を持っているはずなのに、一度本気になると相手のために死ねるくらい熱くなります。そうした人物造形が、なんとも江戸時代らしいと思いました。

一般的に、遊郭が舞台となる物語で遊女が幸せになる話は皆無です。だいたいは無理心中か駆け落ちという結果になります。

結末が分かっているのにそれでも観たいと思うのは、「遊郭という非日常的な場所で行われる、人間の心理の交錯をのぞき見したい」と言う気持ちからくるのではないかと思いました。

『花宵道中』の視聴方法

『花宵道中』はDVDの購入やレンタル、U-NEXTなどの動画配信サービスで視聴することができます。

2020年6月現在、『花宵道中』を視聴できるサービスは以下の通りです。

サービス名配信状況月額料金
U-NEXT見放題1,990円
Hulu視聴不可1,026円
Amazonプライムビデオ見放題500円
Netflix見放題800円
FODプレミアム有料レンタル976円
dTV有料レンタル500円
dアニメストア視聴不可400円
TELASA見放題562円
Paravi見放題925円
NHKオンデマンド視聴不可990円
TSUTAYAプレミアム見放題1,100円
Disney+視聴不可770円
DAZN視聴不可1,750円
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