朝ドラ女優主演でおくる夏にぴったりのピュアラブストーリー。
今回は、映画『青夏』の作品概要・あらすじ・ネタバレ・感想をご紹介します。
目次
『青夏』の作品概要
上映日 | 2018年8月1日 |
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上映時間 | 113分 |
制作国 | 日本 |
監督 | 古澤健 |
原作 | 南波あつこ「青夏 Ao-Natsu」 |
脚本 | 持地祐季子 |
音楽 | 得田真裕 |
主題歌 | Mrs. GREEN APPLE「青と夏」 |
出演 | 葵わかな/佐野勇斗/古畑星夏/岐洲匠/久間田琳加/水石亜飛夢/秋田汐梨/志村玲於/霧島れいか/南出凌嘉/白川和子/橋本じゅん |
主人公の理緒を演じたのは、葵わかな。彼女は、「陽だまりの彼女」や「サバイバルファミリー」など数々の映画に出演し、NHK連続テレビ小説「わろてんか」でヒロインを務め、勢いに乗っている若手実力派女優だ。本作が「わろてんか」出演後初の主演作となる。
相手役の吟蔵には、ボーカルダンスユニット「M!LK」のメンバーとしても活躍しながら、ドラマや映画に数々出演し、俳優としても大ブレイク中の佐野勇斗が抜擢された。本作が映画初主演となる。
本作の原作となったのは、「先輩と彼女」や「スプラウト」など実写化された作品も多い南波あつこの同名漫画である。
タイトルの「青夏」には、“青春よりも、もっと青くて熱い”という意味が込められている。映画でももちろん、熱くて、どこまでもピュアな「運命の夏恋」ストーリーが描かれる。
『青夏』のあらすじ
都会育ちの船見理緒は、夏休みの間大自然に囲まれた祖母の家で暮らすことになる。そこで、地元の高校生・泉吟蔵と出会う。
少しぶっきらぼうだけど根は優しい吟蔵に、理緒は一瞬で恋に落ちる。吟蔵もまっすぐな理緒に恋心を抱くようになるが、夏休みが終われば2人は離れ離れになってしまう。しかし、2人は想いを止めることができなかった。
登場人物紹介
船見理緒(葵わかな)
都会の女子校に通うピュアな高校1年生。運命の恋に憧れている。
泉吟蔵(佐野勇斗)
代々続く酒屋の息子。上湖村の高校に通う3年生。無愛想だが根は優しい。
大島万里香(古畑星夏)
吟蔵の幼馴染。吟蔵の婚約者。
菅野祐真(岐洲匠)
理緒と同じ高校に通う。理緒に思いを寄せている。
桜田あや(久間田琳加)
理緒の親友。
皆見ナミオ(水石亜飛夢)
吟蔵の同級生。売れっ子少女漫画家。
永村さつき(秋田汐梨)
上湖村の高校に通う1年生。
浅島タカヤ(志村玲於)
菅野の同級生。あやと付き合うことになる。
船見奈緒(霧島れいか)
理緒の母。デザイナーとして忙しく働く。
船見颯太(南出凌嘉)
理緒の弟。
成瀬美緒(白川和子)
理緒の祖母。上湖村でそば屋を営む。
泉醸二(橋本じゅん)
吟蔵の父。
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『青夏』のネタバレ
出会い
理緒と颯太は、両親の仕事の関係で祖母の住む上湖村で夏休みを過ごすことになります。理緒は、今まで一度も彼氏ができたことがなく、運命の出会いに憧れているタイプの少女でした。
上湖村に到着して、理緒が木のセミを取って目を輝かせているのを見て、吟蔵が声をかけます。吟蔵は理緒を近くの川のほとりに連れて行きます。そこでも理緒は、東京ではなかなか見れない光景に目を輝かせはしゃぎます。
滑って危ないからと吟蔵は理緒に手を貸します。理緒はそれにすらドキドキしてしまいます。そして、吟蔵は綺麗なデザインの自分の店のパンフレットを理緒に渡し、ぜひ来てくださいと笑顔で伝えます。
理緒は、別れ際に名前を聞こうとしますが、タイミングを逃してしまいます。
再会
理緒と颯太が祖母の家に着くと、そこには吟蔵の姿がありました。吟蔵は、よく祖母が営む蕎麦屋の店番をしており、祖母と親しかったのです。
そして理緒は、再会できたことが嬉かったため、帰ろうとする吟蔵を追いかけます。しかし、先程とは打って変わって、吟蔵は理緒に冷たい態度をとります。
吟蔵は、理緒のことをほとんど上湖村に帰って来ず、祖母ひとりで蕎麦屋を切り盛りさせる身勝手な孫だと思っていたのです。
誤解
初めて会った時の人当たりの良い吟蔵との落差に、理緒はガッカリを通り越してイライラしだします。
ある日、吟蔵は蕎麦屋の手伝いにやってきますが、この前同様、理緒に冷たい態度をとります。理緒は、吟蔵に負けじと祖母の美緒を手伝うため、張り切ります。
しかし、空回りばかりしてしまい、吟蔵に怒られてしまいます。そして、理緒はひとりで家を出てしまいます。
店を後にした理緒は、途中で乗っていた自転車から転倒し、橋の下で身動きが取れなくなってしまいます。携帯で連絡を取ろうとしますが、圏外で連絡を取ることができません。
一方、店では暗くなっても帰って来ない理緒を美緒が心配していました。すると、そこに吟蔵がやってきます。美緒は、自分は放って置かれているわけではなく、よく東京で孫と遊んでいると伝え、吟蔵の思い込みを訂正します。
それを知った吟蔵は理緒を探しに追いかけて行きます。
吟蔵は理緒を見つけ、冷たい態度を取ってしまったことを謝ります。吟蔵は理緒を背負って山道を登っていきます。その頭上には、満点の星空が広がっていて理緒は思わず「きれーい」と感嘆の声をあげます。
そして、家まで送ってくれた吟蔵に対して理緒は、感謝の気持ちを笑顔で伝え、吟蔵もそれに笑顔で返事をします。
上湖村の仲間
それから、吟蔵は理緒と颯太に上湖村のナミオとさつきを紹介します。
そして、ナミオは上湖村への歓迎の習わしだといって、理緒に橋から川に飛び込むようそそのかします。
吟蔵は、怖いならやめていいといいますが、理緒は勇気を振り絞って川に飛び込みます。川面から顔を上げた理緒は、「最高」と叫び、笑顔で吟蔵にピースを送ります。
そんな理緒の姿に、吟蔵・ナミオ・さつきはびっくりすると同時に感心します。5人は、川辺でスイカを食べながら話しています。すると、そこに万里香が現れます。
そして、ナミオたちは理緒を年に一度の上湖祭りの手伝いに参加しないかと誘います。理緒は吟蔵と一緒に過ごすことができるという思いから、それを引き受けます。
そんな話をしていると、万里香が川に落ちてしまいます。すると、吟蔵は川に飛び込み、万里香を助けにいきます。そんな姿を見ていたナミオとさつきは、未来の嫁さんだからねと冷やかします。
理緒は、それを複雑な気持ちで見つめるのでした。
村での運命
上湖祭りのための会議で、理緒は上湖村の良いところを活かして上湖の紹介ビデオを作成して、観光客に魅力を感じてもらおうと提案します。
その案に他のメンバーも賛成し、ビデオの作成をすることが決まります。
会議の帰り道、理緒は吟蔵に「万里香さんって未来のお嫁さんなんでしょ?」と聞きます。すると、吟蔵は「親とか周りが言っているだけだ」と否定をします。
それを聞いた理緒は、少し安心するのでした。
そして、理緒は吟蔵の家に行き、蕎麦を作ります。本当に蕎麦が打てるのか不安に思っていた吟蔵ですが、出来上がった蕎麦はとても美味しく、びっくりします。美味しそうに食べる吟蔵を見て、理緒は満更でもありません。
ふと、理緒は吟蔵の部屋の棚にあった卒業アルバムに目がいきます。理緒がそれを見ようとすると、吟蔵は全力で阻止しようとします。2人はアルバムの引っ張り合いの末、吟蔵が理緒を押し倒すような姿勢になってしまいます。吟蔵は慌てて理緒から離れます。
少しの間気まずい空気が流れますが、アルバムに挟まれていた吟蔵の店のパンフレットのデザイン画を理緒が見つけます。理緒は、業者ではなく吟蔵がパンフレットのデザインをしていたことに驚き、吟蔵の才能を素直に褒めちぎります。
そして、東京だったらデザインを活かせる大学も職場もたくさんあると言い、東京に来たらいいのにと伝えます。
すると、そこに万里香が現れます。吟蔵は万里香のお昼ご飯の準備のために席をたちます。すると、理緒は万里香に「吟蔵を困らせたらダメだよ」と言われてしまいます。
吟蔵は地元から若者がいなくなっていく中で、自分は地元に残り、地元の上湖村を支えるという義務感のようなものを抱いていたのです。
万里香もまた、地元の雑貨店を営み、地元で一生を終えるという人生が半ば決まっていたのです。
理緒の告白
ある日、理緒・吟蔵・ナミオ・さつきの4人は祭りの準備のために図書館に行きます。
そこで、吟蔵は修学旅行で東京に行った時の話を理緒にします。「大勢の人に自分の作品を見てもらえたらって想像したらぞくぞくした」と吟蔵は語ります。そして、こんなことを話したのは理緒が初めてだ、と照れながら伝えるのでした。
そんな姿を見た理緒は、思わず吟蔵に「好き」と伝えてしまいます。しかし、吟蔵は理緒の告白は本気ではないと思っており、告白を聞いていたナミオとさつきに冗談だよと笑って話します。
理緒は、「本気だよ。ばか」とだけ言い、その場から逃げるように去ってしまいます。
吟蔵の答え
吟蔵は、理緒の告白を冗談だと言ったことを謝ります。そして、告白は嬉しいが、住む世界が違うし、大切にしていることも違うと言います。
吟蔵はこの村が好きだからこそ、今は恋愛については考えられないと、理緒の告白を断ります。
理緒は、「私、東京じゃモテるんだからね」と笑っていい、「夏休み残りの時間、全力で楽しむぞ」と伝えます。2人は、友達として残りの時間を楽しむことにします。
東京の友達
夏休みも中盤に入ったころ、理緒の東京の友人・あやが上湖村に遊びにやってきます。
以前、合コンで出会った菅野の姿もありました。理緒はわざわざ上湖村まで菅野がやってきた来たことに驚きます。菅野は理緒に一目惚れをして、上湖村まで追いかけて来たのです。
理緒と菅野が楽しそうに話す姿を遠くから見ていた吟蔵は、複雑な表情を浮かべます。
バーベキュー
ある日、理緒と吟蔵たち上湖村の仲間と、あやたち東京の仲間みんなでバーベキューをすることになります。
菅野は、そこで理緒に積極的に話しかけ、距離を詰めようとします。菅野は、理緒を橋に誘い、そこで告白をします。
一方、吟蔵は理緒と菅野の姿を見て、今まで以上に理緒を目で追ってしまっていることに気が付きます。菅野の存在に吟蔵の心はざわつき始めます。
そんな中、理緒が吟蔵に話しかけに来ます。理緒は途中で友達に呼ばれ戻ろうとしますが、吟蔵は理緒の手を掴み、「俺のこと好きじゃないのかよ」と聞きます。
理緒は、自分のこと好きじゃないくせにずるいと伝え、その場から走っていなくなってしまいます。
そして、あやと菅野が東京に帰る日がやってきました。そこで、菅野は「東京で待ってるから」と理緒に伝え、連絡先を交換します。
吟蔵の挑戦
ある日、理緒の母・奈緒が実家に帰ってきます。奈緒は、東京でデザイナーとして働いていました。
奈緒が仕事の電話でパソコンの資料を確認している姿を、吟蔵は後ろから見ていました。そして、「デザイナーの仕事ってスキルがないとつとまらないですよね」と尋ねます。理緒は、そのやりとりを横で見ていました。
ある日の上湖村の運営会議で、理緒は名案を思いつきます。それは、上湖祭りのフライヤーを作ることでした。フェスのようなおしゃれなデザインのパンフレットを作り、集客しようと考えたのです。
そして、「できるよね?吟蔵」と、吟蔵にパンフレット作りをするよう任せます。
しかし、吟蔵は自分のデザインの力がどれくらい通用するのか不安な気持ちを抱いており、「祭り用だし、適当にやるわ」とつい言ってしまいます。
それに対して、理緒は吟蔵の作ったデザインに一目惚れしたことを熱く伝えます。
理緒の言葉に吟蔵は励まされます。そして、吟蔵は隣町の花火大会に理緒を誘います。
花火大会
花火大会当日。理緒は奈緒に着付けてもらい、浴衣を着ていきます。その姿に吟蔵は思わず、見惚れてしまいます。
吟蔵は鳥居の前が穴場だから、そこから花火を見ようと提案します。花火までの間、2人は屋台をまわって楽しく過ごしますが、人混みではぐれてしまいます。しかし、鳥居の前で2人は無事再開することができます。
そして、吟蔵は、修学旅行の話を理緒にしてくれました。吟蔵は、修学旅行で班のメンバーと渋谷で離れた時に、神社の近くで迷い込んだ路地裏で見つけたひまわりの壁アートがかっこよく、感動したことを話してくれます。
花火大会後、理緒は夏休みが終わるまででいいから付き合ってほしいと伝えます。しかし、吟蔵は返事をせず、帰ろうと言います。
理緒は帰りたくないと言いますが、吟蔵は理緒の手を引っ張って家路につきます。
残りの夏休み
花火大会の次の日、吟蔵は理緒の家にやってきます。ちょうど、奈緒が東京に帰る日でした。奈緒は別れ際、「何かあったら相談くらいは乗るよ」と自分の名刺を吟蔵に渡します。
理緒は、帰ろうとする吟蔵を引き止め、昨日の告白のことを謝ります。それだけ伝え、引き返そうとする理緒を吟蔵は抱きしめます。そして、「夏休みが終わるまでとかどうでもいいから、一緒にいよう」と伝えます。
それからは、バイクに2人乗りをしたり、上湖祭りの準備を仲良く進めたり、夏の恋を謳歌し始めます。
上湖祭り前日
理緒は、上湖村の高校の制服を着て、吟蔵の家に向かいます。そして、吟蔵も制服に着替え、2人は制服デートをすることになります。
2人は、一生に一度だけ願いが叶うと言われているスポットにいきます。そこで吟蔵は、「俺の分も理緒の願いが叶いますように」と譲ってくれます。
すると、理緒は「吟蔵の夢が叶いますように」と一つ目の願い事をします。しかし、2つ目は吟蔵が聞いても内緒だと教えてくれません。
そして、2人は吟蔵が通う高校に向かいます。そこで吟蔵の席に理緒は座り、吟蔵が見てないうちにメモに何かを書いて吟蔵の机の中に忍ばせます。
万里香の想い
祭り当日。理緒の家に万里香がやってきます。
万里香は、自分も吟蔵にやりたいことがあるのは知っているが、村には吟蔵が必要だと伝えます。理緒は、吟蔵を東京に呼ぶつもりがあるわけではないから大丈夫だと伝えます。
理緒は、万里香の吟蔵への想いにも気付いていました。
上湖祭り
祭りの当日は、例年以上の盛り上がりを見せていました。吟蔵は、運営の仕事が終わったら、一緒に祭りを回ろうと言っていましたが、祭りの最中に理緒はひっそりと上湖村を後にします。
理緒は、吟蔵たちに挨拶をするとお別れするのが辛くなるからと、早く切り上げて東京に帰ろうと電車に乗っていました。
一方、吟蔵は担当していたライブが終わり、理緒の姿を探し回ります。しかし、理緒の姿は見つけられませんでした。そして、理緒の祖母からもう東京に向かったことを聞かされます。全力で電車を追いかける吟蔵でしたが、理緒と直接話すことはできませんでした。
東京
東京に戻った理緒を菅野が待っていて、改めて思いを告げます。しかし、その時も理緒の心の中は吟蔵でいっぱいでした。
一方、吟蔵は奈緒を訪ね、自分がデザインの仕事に進むことができるのか?と相談しています。奈緒は、今からでも東京のデザインの大学を目指すことができると励まします。しかし、東京に来ていることを吟蔵は理緒に伝えていませんでした。
そして、東京に来ていた吟蔵の姿を偶然見かけた菅野は、吟蔵が東京に来ていることを理緒に伝えます。
菅野にも応援され、理緒は吟蔵を探して回りますが、見つけることができません。ちょうどその時、理緒は花屋の前を通りがかります。そして、たくさんある花の中でも、ひまわりに目がいき、理緒は吟蔵が話してくれた東京の修学旅行の話を思い出します。
それは渋谷の神社横の路地裏で、壁一面がひまわりのグラフィティで囲まれている場所の話でした。
これからの2人
そこにたどり着いた理緒。しばらくすると、その場所に吟蔵も現れます。
吟蔵は上京してデザインの勉強をして、デザイナーとして上湖の魅力を発信していく決断をしていました。吟蔵は理緒に「来年まで待っていてほしい」と伝えます。
そして、「理緒。好きだ」と伝え、抱きしめます。
理緒の2つ目の願い、吟蔵の机に忍ばせたメモには「吟蔵とキスがしたい」と書かれていました。そして、2人はひまわりの壁アートの前でキスをします。理緒と吟蔵は改めて互いの思いを確かめ合うのです。
『青夏』の感想
タイトル通り、夏にぴったりの映画でした。夏は恋の季節ともよく言われますが、まさに夏の恋を映画化した作品だと思いました。公開は2018年ですが、夏になる度に観たい胸キュンラブストーリだと思います。
また、本作を観る前、主演の葵わかなさんのイメージは、「わろてんか」で演じた明治時代の女性起業家という強い女性そのものでした。しかし、本作で現代の女子高生を可愛らしく演じ、実力派女優だなと感じました。
さらに、映画を彩る役割を果たしたのは、主題歌のMrs. GREEN APPLEの「青と夏」だと感じました。
イントロから爽やかな雰囲気で、サビに向かって乗り上がっていくメロディーが気分をあげてくれる恋愛応援歌です。ぜひ、歌も一緒に楽しんでほしいと思いました。